ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

ざくろ沢のざくろ石 パンニング皿戦果報告

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 前の記事のざくろ石,本当に処理するのに3日かかりました。


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 とにかく大漁。この1回だけで,これまでの数回分をすべて足したよりもたくさんのざくろ石が採れました。パンニング皿の威力もあるけど,私の方も現場に慣れたということでしょう。


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 …… なんだけど,ざくろ沢で見た時と比べて,なんか色がくすんで見えます。なんでかな。


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 とりあえずハイターに漬けて有機分を除去。こうしないとあとで水で封じた時に水が腐ります。


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 トレス台で透過させてみますがやっぱり色がよろしくない。もともとこんなだろと言われたくない。フィールドではもっと美しかったんだよう。


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 で,ようやく判明。ざくろ沢のざくろ石が一番美しく輝くのは陽光に当てた時。君は本当に太陽に愛されてるんだね … ってか。

 

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 透明度の高いのだけ選りすぐって小びんに詰めてみようかな。人にあげたら喜んでもらえるだろうか。魔術のアイテムだよって言ったら信じたりして。

 

 

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ぱんにんぐざらをてにいれた!

 

 はい,タイトルの通りですよ。ついに禁断の道具を手に入れてしまいました。


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 パンニング皿だあ。


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 裏面。メリケン製です。


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 あちらではGOLD PAN て言うんだ。へー。


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 この溝が,ミゾがあああ …… どう役に立つのかな。


 現物を手にしてしまっては,試さないワケにはいきません。もちろんざくろ沢をガサ入れすることなんですが…… 梅雨で沢は増水してるし虫や蛇が出るしなんて考えてざくろ沢から遠ざかっていたんです。仕事のほうも余裕なかったし。でも今日は降らないと森田さんが言っていた。寒いから虫もそんなに出ないだろうし,仕事も一段落しました。 行くしかねえ。

 


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 現地は通り雨があったようです。神さまにそれとなく止められているような気がしないでもないけど,決行。


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 なるほど,こりゃ楽だ。ガサ入れ一回で違いがわかります。


 植木鉢皿で鍛えた回転ゆすりに加えて,これまでは出来なかった前後ゆすりというテクニックを使えば短時間で選別ができるのだ。あの溝はダテではなかった。


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 採れてる。ざくろ石と,正八面体の磁鉄鉱も見えます。


 とにかく効率がいい。邪魔な大きめの小石を簡単に除けます。かなり絞った状態で持ち帰れます。難を言えば,皿の色が黒いこと。砂金を視認するにはいいのでしょうが,ざくろ石ではかえって見づらくなってしまいました。

 

 そう砂金。GOLD PAN の名の通り,これを使えば久慈川の砂金が採れます。でも私は当面やりません。砂金採りはなかなか業ごうが深い。はまるといろいろ大変です。私も栃原金山の川でちょっとガラの悪い人に遭遇したことがあります。それでも興味のある方は「久慈川 砂金」で検索してみてください。

 


 気付けばもう3時間もガサ入れしてました。「そんきょ」の姿勢で足場の悪い沢に3時間。かなり足腰にキてます。立つと強烈な立ち眩みが。いつの間にかオノレの肉体の限界を超えてしまっていた。いかんいかん。さあ帰ろうか…… じゃあ最後にあとひとガサ……

 

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 これが悪魔の囁き。たまたま多量に堆積している場所を当ててしまったようで,引くに引けなくなってしまった。結局プラス1時間。昼飯食ったの14時半。


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 大漁。ここから磁鉄鉱ざくろを選別します。3日は楽しめるかな。


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 今日もざくろ沢は私を楽しませてくれました。天気も,今朝の雨もよいの空がウソのように晴れました。久慈川水系の神さまはいつも私に優しい。ありがたや。

 

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 と思ったら問題はオノレの身の内に。沢から林道に這い上がるのに,いつものように急傾斜の崖を一気に駆け上がろうとしたらえらく体力を使った。ヒーヒー言ってしまいました。若くはない事を自覚せねば。


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 梅雨が明けた模様です,って森田さんは言うのかな。夏です。五十ン回目の夏。もう回数券をだいぶ使ってしまいました。これからはひと夏を大切に過ごしていきたいと考えます。

 

 

 

↓ 「夏」つながりのリンクです。

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ウミユリの化石を探しに行ったはずがまた変なことに

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 春のころのお話です。


 阿武隈山地茨城県内ではおもに古生代の地層から成ってます。マグマが冷え固まった火成岩や,それが時の試練の果てに変質した広域変成岩が大部分なのですが,日立市の一部に石灰岩があります。わかりやすく言うと,当時の海の生物の殻が固まったものです。学校で習った古生代の海生生物,いくつ言えます?


 三葉虫フズリナ,四射サンゴ,腕足類,サメ類,海サソリ……。


 わあ,どれもこれも図鑑の絵を穴が開くほど見つめたクリーチャーばかり。化石があるの?


 いえ,ほぼノーです。日立の石灰岩はみな「結晶質石灰岩=大理石」です。元は化石でも変成作用を受けてみんな溶けちゃってます。…… と思っていたらある地質屋さんからの情報「〇〇のあたりならウミユリあるよ」。


 よっしゃー! あとは得意の地質図で当たりを付けて出撃じゃあ。

 

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 ちなみに岩手県・遠野の鍾乳洞「滝観洞」の内部。まわり全部ウミユリ。壮観でした。


 さて今日のフィールド。常磐自動車道に沿った場所です。道端に


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 オドリコソウ。子供のころ以来じゃないかな,まじまじ見たの。好きですよ,この花。


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 マルバアオダモ。バットに使うトネリコのなかま。これも私には春のシンボルです。


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 さっそく森の中に白い岩。


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 寄ってみると果たせるかな,石灰岩です。すでに雨に浸食されて表面が波打ってます。


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 で,ぶっかいてみたんだけどキラキラと,すっかり結晶化した大理石。ここではないらしい。


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 さらに進まねばならないのですが …… おい何かイヤな雰囲気だぞ。


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 あ,いやだいやだ,アレです。人が来ない場所,何かある場所独特のあの空気感。八溝山やつい先日の海岸林で体験したアレ。侵入者を拒絶するずしりと来る妖気っぽいの。


 進みたくはないのですがそれではここまで来た意味がなくなります。よく晴れてまだ陽も高いことを後ろ盾に,前進!


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 なんだこの看板。


 看板はあるのに人の歩いた形跡がありません。人が来ないのには必ず理由があるはずなのですが,あえて考えないことにしよう。


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 踏み跡には絶対生えないニリンソウが花盛りです。最後に人が歩いたのはいつのことだろう。 え?だってここ,人口十四万の工業都市の市街地のすぐ裏手だよ?


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 ほとんどけものみち。いやたぶんほんとにけものみち


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 ん? 何かある。


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 やめてくれよう 石なんか積むなよう 何があった場所なんだよう


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 石積みが次々と現れていい加減心が萎えきったころ,また標識が。


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 トンネル,と差されたほうは道が消えてます。行っちゃあなんねえど。


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 みはらし台,とあるほうもあまり人跡がありません。ハイキングブームのこのご時世に。咲き乱れるニリンソウまでが何か象徴的に見えてきました。いったいここはどこなんだろう。


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 で,あるんだよこんな場所に,石が。これは石英のペグマタイトかな。


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 石灰岩。残念ながら少し変成しています。

 

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 これは変成の程度が弱くて,何かの形が見えます。


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 とはいえ持ち帰るほどの形象があるでなし。何よりここの石は持ち帰らないほうが無難な気がします。たぶんこの辺りを丹念に探せばもっとはっきりした化石があると思いますが,そこまでして何か代償を払う羽目になってもつまらない。もう退散しましょう。


 ああまたおかしな森に出くわしてしまった。最近こういうことが多いなあ。いつか変なモノを背負って帰ることになったりしたらヤだなあ。

 

 

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ゆきゆきて,ヒトのいない森に踏み込む

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 久しぶりに気温の上がったその日,私は少し後悔していました。

 


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 ここは茨城の某海岸。先般,海岸で黒メノウ=オニキスを手にしました。かなり大きな晶洞付きのメノウが黒化,さらに青変までしていて感動。ぜひとも海岸での分布を調べたい。


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 テーブルの脚。だからどうしたと言われようが。

 

 そんなことを考えて海岸に出たのですが,暑い。そして体調が最悪。体温調節がうまくいってないような感覚です。そんな状態であることにフィールドに出て初めて気付くというのは,たぶん心身ともかなり疲れているからでしょう。仕事で3月から突っ走ってきたのがもう限界です。あとひと働きしたらゆっくりしましょう。ああ,もうトシだなあ。


 なんてことを考えながら波打ち際を歩きますが,この浜にメノウはないようです。ただ太平洋の荒波が打ち寄せるだけ。やがて戦果もないままに砂浜が尽き,護岸の堤防に差し掛かります。


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 どっ


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 ぱーん。海と言えば一年中こんな調子の太平洋しか知らないんだよな,わし。


 でもこの波のおかげで,海底深く沈んださまざまなお宝が打ち上げられます。


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 とはいえ何事もなし。今日は日が悪いようです。諦めて堤防の上を戻ろうとしたら,何やら誘われました。海岸林の中にすっと伸びる一本道。


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 人の気配がない。


 少なくともこの春以降,ヒトや車が入った形跡がありません。たぶんもっと前から誰もここに来てません。道の草の生え具合でわかります。堤防の下の砂が浸食されて海側からは車が入れなくなっています。


 つい目の前の海岸にはサーファーが群れているのですが,こういう人達は車で入れないところには来ません。海水浴場ではないのでそれ以外の一般人も来ない。まるですぽんと現れたエア・ポケットのように,ここだけ誰もいない森。


 フィールドをひとり逍遥と歩いていると,たまにこういう森に出くわします。あれここはどこだろう。よく知っている場所でも,谷筋一つ越えたところで出くわしたりします。人跡のない静謐な,異空間としか言いようのない森。ヒトではないモノがそこここに潜んでいるような妖気が漂います。次に来ようとしてもなぜかたどり着けない異界の入り口。もしそこに家があれば間違いなく「遠野物語」の「マヨイガ」なのであろう,そんな不思議の森です。残念ながら宝物を得たことはありませんけど。


 海岸の石拾いの装備で歩いています。このまま森は危険です。用心深いことが取りえなのですが,なのに誘惑に逆らえません。自然に,本当に誘われるように分け入ります。


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 不思議とこの森のクロマツは松食い虫にやられてません。

 

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 わあドクウツギ。あるんだ。


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 オオマツヨイグサ


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 オカトラノオにアカハナカミキリ。いっぱいいました。山の生きもののはずなのですが。


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 アオハダトンボの雄。なんか物思いにふけってました。しばらく見守っていたら信用してくれたようで,そばに寄らせてくれました。 …… アオハダトンボ!? よく考えたら清流のトンボだぞ。なんでこんな海岸林にいるんだ。地図では半径三百メートル以内に清流どころか水場はないはずです。何があったんだろう。考え込んでいたのはそのあたりか。


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 ヤブカンゾウ。種子を作れない宿命を背負ってますが,にぎやかな花を咲かせながら栄養生殖で増えていきます。逞しい野の花です。


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 生きものたちに袖を引かれ,森の奥まで誘いこまれそうです。危ない。人の往来が途絶えると,森は瞬く間にそういうものの潜む場所になります。八溝山でも体験しました。

 

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 人跡未踏の理由がわかりました。陸側の入り口がゲートで閉じられてます。ああ来た道を戻るしかないなあ。少し怖いなあ。


 首都圏からゴミを捨てに来る業者とかがいるので,最近は県内どこの林道もこんな風に封鎖されてます。おかげで一般人も来なくなります。私のような歩くことを厭わない,そしてヒトの痕跡を好まない人種には歓迎すべき風潮ではあります。ただその森が少し怖い場所になる。


 ともあれマイペースに過ごせた時間になりました。いつの間にか体調も良くなっています。


 ふだん何百人もの人間を相手に仕事しているので,人と会わずに過ごす休日というのが私にはとてもリフレッシュになります。さあ明日はまた頑張ろう。

 

 

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ざりがにのらくえん

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 おなじみ,旧常澄村の田んぼの中の自動車整備工場。オイル交換の間,のんびりお散歩します。今日は水網を持って田んぼの水路をガサ入れだあ。


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 那珂川涸沼川に挟まれた豊かな田園地帯です。海はすぐそば。


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 田んぼの脇のこんな水路を覗くと


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 うおーっと威嚇するアメリカザリガニ


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 じっとこちらを見ていたり


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 逃げにかかったり


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 濁った泥底をすくうとこの通り。もう入れ食い。視界内にあるこの田んぼだけで,いったい何千匹いるのか想像もつきません。まさにザリガニの楽園。


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 泣き所は無防備になる脱皮中。ちっこいのにちょっかい出されたりして。


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 とにかくどこにでもいるのですが,唯一いないのがここ,用水の流入口。水清ければザリガニも住まず。


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 ふと気づけば田んぼの中からサギさんたちに睨まれてました。アオサギと…… 嘴の黄色いのやら黒いのやらのシラサギ複数種(たぶん)。


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 飛び立ったことで三十羽ほどいたと判明。いつからサギはこんなに増えたのか。私の子ども時代には珍しいものでした。


 増えた原因は明白です。そうこのまとめ売り状態のザリガニ。サギの主食でしょう。田んぼに行けばなんぼでもエサがいるのですから,サギだってなんぼでも増えます。かつては夏鳥であったサギ類も,今は通年で茨城に暮らしてます。ザリガニの楽園=サギの楽園なのでした。


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 食われちゃうのに楽園って変ですか? 食って食われて増えまくって,やはり生物にとっての楽園とはこういう状況を言うのではないかと思うのです。


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 メダカ。一時は絶滅危惧種などと騒がれましたが,フツーに生きてます。ちなみに今どきはミナミメダカとか言うべきなんでしょうが,フィールドを知らない分類学者がDNA解析の結果勝手にそう主張しているだけです。交雑できるなら同一種じゃい。


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 すいません,この魚なんスか? 群れて泳いでました。これも子ども時代には見なかったなあ。

 ※ 追記:どうやらボラの稚魚のようです


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 ザリガニなんぞと一緒にすくわれちゃう魚が哀れ。

 

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 トウキョウダルマガエル。トノサマガエルと信じていたのに。


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 シジミ。すぐそばの涸沼川は美味しいヤマトシジミの大産地ですが,はてこれは何シジミだろう。最近外来のタイワンシジミが増えていると聞きますが。


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 どでかいタニシ。そういえば海原雄山のモデル北大路魯山人はタニシを食べて死んだんだっけ。ジャンボタニシの名で有名なリンゴスクミガイはまだこの辺りには侵入してません。


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 サギ先輩が行く手をふさいでいる。通してくれるだろうか。先輩の仲間はこの生態系の暫定王者です。ザリガニは食われることでこの世界を維持しています。なんと尊い


 昔は見られなかった生物が増え,こういう豊かな生態系が出来上がった理由は明白。私の幼少期は昭和後半,高度成長の掛け声のもと,農薬が使われまくっていた時代です。タガメもメダカも消え去り,田んぼにいるのは農薬に強いタニシやオタマジャクシばかり。それがここまで復活して豊かな「半自然」の生態系を作り上げています。


 テレビ東京の人気番組の,池の水を抜くやつ。最近急に視聴率が落ちたそうな。出る生物がまたかというものばかりで飽きられたこともありますが,「固有種」「外来種」という分け方が私には違和感と映るようになりました。コイとか,外来種だからってそんな邪見にしなくてもいいじゃん。


 アメリカザリガニも同様,私には旧友です。農薬で生き物が減った田んぼで,それでも生き残って遊んでくれました。そもそもザリガニがここまで日本に定着したのは,日本の在来生物にないニッチだったから。もしザリガニを駆除したり万が一に一掃したりできたなら,サギをはじめとする多くの動物が餓死し激減するでしょう。今は大切な日本の生態系の一部だと思います。


 田んぼ周辺には


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 ヒメヒオウギズイセン。いつか単独で記事にしたい,ヒトが生み出しヒトの手を離れた生命。


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 イヌゴマ。「役に立ちそうで役に立たないこの野郎」という意味の命名だそうな。ヒトの身勝手でゴメンね。

 

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 ツルフジバカマの花。モンシロチョウがひと時を憩いながら自らの行く末を案じてました。


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 以前にもなぜかこれが好きと公言したヒルガオ。夏です。


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 多くの生物をはぐくむ田んぼ。その生態系の真ん中にザリガニがいます。日本の自然の,その立派な一員です。

 

 

 

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砥石を研いで包丁研ぎ

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 家人から包丁研ぎを命じられました。トマトが切れなくなった,と。


 へいへい。私も変に小器用なところがあって,刃物研ぎは嫌いではありません。


 とはいえ砥石。じつはもう三十年来使っている荒砥ぎ用仕上げ用,二つの砥石がだいぶ削れて歪んできています。「面直し」しなければ。


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 こんなん使います。


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 荒砥ぎ用の砥石。三十数年前,当時住んでた土浦・荒川沖にできたばかりのジョイフル本田1号店で買いました。いらい私の刃物すべてを研いでくれてます。


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 金剛砂をかけて


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 ぞりぞり。けっこうすごい音がご近所に響きます。


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 続いて仕上げ研ぎ用。これも荒砥ぎ用と同時に買ってます。


 これで研ぎの準備完了。このあと包丁二丁,完璧に仕上げました。そっちの写真はなしね。


 動画サイトでは包丁研ぎの動画が人気だとか。百円ショップの包丁でもほらこんなに切れるようになりました,とか。意図はわかるけど,やっぱり刃物はいいモノ使いましょうよ。安物はかえってその維持が大変です。私は「肥後守」も使うのですが,研いだ直後は凄い切れ味でもすぐナマクラになります。使うたびに研ぐ騒ぎです。それがまた嫌いではないのですが。


 道具は大切にしています。刃物も,砥石も。使ったら手入れして,使ったら慈しんで。感謝して。モノの性能を維持するのは大変だけど,やりがいがあります。だってそのまま自分に返ってくるのだから。


 私のようなのばかりだと,モノが売れなくて大変だろうな。

 

 

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ACCA13区監察課,だけが残った /2019春アニメ感想

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 ネタバレあり,です。


 久しぶり,アニメ評でもさせてください。悪天候ゆえこの週末(7月初め)は休養日です。


 4月始まりの,いわゆる「春アニメ」。一通りチェックはしました。ええ元漫研会長のサガでございますよ。


 近年の深夜アニメは1クールかせいぜい2クール。粗製乱造,当たれば続編商材展開ヘタな鉄砲も数打ちゃどっかん。完全に安直なビジネスモデルが構築されてます。それで傑作が発掘されればいいのですが,多くはライトノベルに今どきの可愛い絵を被せたもの,お色気路線,正道から外れた少女漫画。いい加減にしろ異世界モノ。

 

 原作の内容の薄さに加えて,何より目につくのが演出の力不足。「間」を読まずテンポを踏まず,あげくに次のセリフが読めてしまう陳腐さ。ある作品の初回,田舎から出てきた少女が都会の駅で見るからにパターン通りに浮かれてます。まさかまさかおいまさかやるなよと見ていたら,やっぱり荷物を盗まれます。

 

…… 昭和の演出やってんじゃねーよ。

 

 このアニメはそこで視聴中止,ただちに消去しました。その先見る価値なし。あと,ここらでアレが出てきたらヤだな,若いのになぜか敵の大幹部でロン毛のイケメンのああ゛やっぱり出やがった,とか。


 ごめんなさい,他人の悪口は書かないという誓いのブログなのですが,漫画やアニメにはやたら厳しくなってしまいます。


 で,春アニメでした。

 

 結局録画を消去しなかったのは「冴えカノ」(再放送,今回初めて知った。ラノベ・ハーレムものながら快作)と「ACCAあっか13区監察課」だけ。

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 ACCAは「オノ・ナツメ」という人の漫画が原作です。この作者の漫画はきちんと読んだことないけど,そのスタイリッシュでアクの強い絵柄は知ってました。アニメではそのアクが薄められより洗練されたキャラクターになってます。


 舞台は鳥の形をした(!)島国。スケールはありませんが,亜寒帯から熱帯まで含むのですから大陸国と言っていいでしょう。いまは1つの王族が統治する立憲君主国,でもかつては13の独立国から成っていて,いまはそれぞれが自治権のある「区」とされています。いずれもはっきり外観の違う人種または民族で構成され,富める区もあれば貧しき区もあり,区界を越えれば気候も文化もまるで異なる別世界です。驚くべし,それなのに同一の言語を用い,一人の王さまを君主と仰いでいます。さらに驚くべきは統一された警察・消防・医療機構があること。この組織が「ACCA」で,各区のACCAが不正を働かないよう監視するのが「監察課」,主人公ジーン・オータスの所属する組織です。


 ジーンの仕事はすべての「区」を回りその業務を監査すること。若く,頭脳明晰,眉目秀麗,常に冷静に物事に対処する,誰もが一目置く優秀な監察官です。誰からも好かれる不思議な魅力の持ち主でもあります。


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 このジーンが,ACCAの企てるクーデター計画に巻き込まれます。ただ淡々と仕事をこなしているだけなのに,その行動に意味を持たされます。なぜならジーンは…… 。


 今期のアニメで大人の鑑賞に耐える唯一の作品。鳥の形をした大陸,なんてこの作品のための突飛な設定も不思議と違和感なく,むしろ重要な世界観の一部です。


 ストーリーも組織内の権力争いを若い傍観者の眼で描くモノかと思っていたらあらびっくり,貴種流離譚(©折口信夫)でした。詳説は避けますが,最後まで先を読ませない展開と主人公の魅力で押し切られました。うん,面白かった。


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 漫画が原作。そこに十分な力量のあるスタッフが気を入れて作り上げた作品です。「異世界モノ」の,すでに使い古された平凡男が異世界では無敵だの露出の多い美少女魔法使いだのといった「部品」をただ組み合わせてでっち上げられた作品とのレベルの違いを見せつけられた気がします。創作とはこういうものだ,と。

 


 ACCA,まったく話題にならなかったようですね。「春アニメ人気ランキング」にもまったく名前が挙がってませんでした。これが現実。良質な作品をていねいに作るより,お色気美少女出して数字取ったもんの勝ち。ううむ。


 せめては関連商材にいくばくかおカネを使ってあげよう。スタッフの皆さんめげないでください。あとこれを読んでいる読者の皆さん,おっぱい美少女が出てこなくても納得できるなら,ビデオとかで見てやってくださいね。

 

 

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