ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

コウヤボウキを拾いました。高野箒です。

 

 コウヤボウキの高野箒を拾いました。いや,ふざけてはいません。

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 いつものフィールドを歩いていたら,(植物の)コウヤボウキを束ねてほうきにしたものが落ちていたのです。誰かがコウヤボウキを刈って歩いて,形になったあたりで落としたのでしょうか。もったいないことです。
 むかし(今でも?)高野山ではこうして作った箒で掃除をしたのだとか。これがこの植物名の起こりですが,床しいことです。驚くべきは,こんな聖域での習慣が一般にも知られていて,それが植物の正式和名になっていること。そこには日本人と植物の親密かつ永い関係が垣間見えて,これもまた床しい。


 高野山には一度,ごく短時間の観光に寄ったことがあるだけで,事実上何も見てはいません。でもそこで永きにわたり連綿と続けられた祈りの生活に想像が及ばないわけではありません。早朝の暗い堂内,声明,蝋燭の灯り。掃き清められる境内。黒ずんだ木の廊下を進む僧侶たち。この科学の国で,コンピュータやメディアが隅々まで行き渡ったこの国で,いまこの瞬間もいにしえの教えを守っている人たちがいます。もちろん僧侶だって情報管理にコンピュータは使うし,先日は高野山の青年僧侶たちがファッションショーを開いたというニュースに思わず瞑目したりしましたが,結局そういう若い僧侶たちも最後には伝統の中へ帰還していくのでしょう。


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 コウヤボウキ。キク科の小低木です。暗い林床で針金のような細い茎を盛んに分岐させ,枝の先に小さな頭花を付けます。秋の終わりを告げる花です。

 

 

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