とにかく貧乏でした。
大学を出て就職した時,世はバブル。人々は有り余るカネを湯水のように使い,老いも若きも昼夜なく笑いさざめき,見渡す世界はまるで不夜城のよう。いまの若い人にはバブルと高度成長の違いが判らない方もおられると聞いたので説明しますが,日本人がみな額に汗して一生懸命働いて揃って豊かになったのが高度成長期。汗まみれになって働くのは恰好悪い,株や土地転がしで楽して儲けて遊んで暮らすのが恰好いいという風潮に日本全体が狂ってしまったのがバブル期。本当にイカれた時代でした。
親からの援助を断って自活を始めた私ですが,初任給は手取り10万。家財道具はふとんだけ。窓に張るカーテンもなし。今のような安売り店はほとんどなく,事実上物価は今より高かった。食うにも困りました。もちろん自炊ですがそれもおぼつかない時には職場への差し入れの余ったパンを持ち帰って食ってました。見栄を張って女の子にご飯をおごった翌日は心底後悔したものです。若いからできた生活だったと思います。何より貴重な経験だったとも思います。そう思うのは,そんな生活の中で毎日ちゃんと家計簿をつけ,毎月千円とか二千円とか律儀に貯金していたから。おかげで,あの狂奔の時代に金銭感覚を狂わせずに済みました。金銭感覚って,一度狂うと元に戻せないって知ってましたか? 私の周囲の大人たちには,その後バブルが弾けて収入が激減しても贅沢な暮らしをやめられずに破綻していった人がたくさんいます。私はというとなんとか人並みのお給料をいただけるようになり,家を立てて庭を買っても今は借金ありません。あの時代があったからこそ,今の私が有ると思うのです。
延々と何を書いているかって?
それを今日の表題,4000アクセス超えたことに対する戒めとしたいからです。
正確にはきょう7月29日午後11時の段階で4226。およそ11か月かかりました。
2000アクセスの時にも書きましたが,世の中には瞬く間に数千アクセスを稼ぐ人がおられます。私はそんな方々に張り合おうとは思いません。ツイッターのフォロワーがたくさんおられて,ブログ更新しました!とかつぶやけばたちまち数千,とか。フェイスブックやその他のSNSを使いこなしておられる方もいるでしょう。でも私はブログ一本。たまたま検索で来てくださるお客様だけが対象です。ですからブログ始めて最初の1か月はアクセス数37。記事も毎週2つずつ追加するのが精いっぱい。ただし,5年たっても10年たっても「読める」記事,何度でも読み返してもらえる記事を心掛けました。
月ごとのアクセス数のグラフ,あげておきます。最初の4か月の,いや少ないこと。でも当時はこれで喜んでいたんです。自分の文章を読んでくれる人が100人もいた,と。
1月からグラフが跳ね上がったのは,12月の後半に「にほんブログ村」に登録したから。てきめんでした。その後も微増していたわけですが,いきなり7月にアクセス数が増加します。現時点での7月のアクセス数1365。総アクセス数のじつに1/3をこの7月に叩き出しているわけで,もうワケわかりません。何もしてません。強いて言うと記事の数がようやく100に達した月である訳で,以前どなたかのブログで記事数が三ケタにならないとアクセス増えないよ,てなことを拝見しましたが,そういうことなのでしょうか。詳細な分析ツールは持っておりませんが,同じ方が来訪のたびに複数の記事を読んでくださってますね。ありがとうございます。
ランキングサイト「にほんブログ村」でも,有難いことに最近は記事を上げると「注目記事」の上位になることがあって,ああ私の記事を待っていてくれる人がいるのだと思うと力が湧いてきます。ただ不思議なことにこれだけアクセスが増えたのにランキングが変わりません。いや不思議でもなんでもなく,ポチッとしてくれる方がまだ少ないから。頑張ります。もっとも,ランキングを上げること自体は簡単です。外部のPCから自分でアクセスしてポチッとすること。でもそれはブログを始めて以来の戒め「絶対に自分アクセスしない」に反するのでしません。ランキングを上げることが目的ではない,とは前に書いた通り。何より私の矜持に反します。
相変わらず,私の周囲の人は私がブログをやっていることを知りません。恥ずかしいから言ってきませんでした。そろそろカミングアウトのタイミングかな。驚かれるかな。スルーされるかな。ふだん人に接している人格と文章の人格が違う気がするのですが,周囲はどう見てくれるのだろうか。
何をしてもそれが頭の中から文章になってぼろぼろとこぼれてくる。何を見てもシャッターを押さずにはいられない。そんな,文章と写真に取り憑かれた人間です。それを人様に晒すことのできるブログというものを,本当にありがたく思います。
この勢いなら,読者の皆さんを裏切るような真似をしない限り,年内に1万アクセス超えるでしょう。はてなブログの運営さんからは有料だけどいろいろな機能のある「PRO」にしないかとお誘いが入ります。光栄なことです。でも私は忘れません。1日1アクセスあるかないかの日々。今日は誰かが私の文章と写真を見に来てくれた。うれしいなあ。もっと頑張らなくちゃなあ。たった1アクセスでそんな幸福感,高揚感を感じることのできたあの頃を。
峠を一つ越える日の,明日という日にまた峠あり。
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