ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

お散歩ビンゴと女神の裳裾

      裳裾 ……「もすそ」って読んでくださいね                                                                                                                                                                                                                                                         

 

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 先日ふと,仕事の合間に職場の敷地を一巡りしてみました。いえ決してヒマなわけではないのですけど。むしろ忙しかったから,と言い訳しておきます。


 はあ,春だなあ。これからまた忙しくなるなあ,なんて考えながらふらふらと。


 この事業所,そんなに古い施設ではないのですが広さだけはあって,植栽も歴代のボスがその都度気まぐれを発揮して何かを植えるもので,思いのほかいろんな春を見つけることができました。


 それを何気なく写真に収めていたのですが,撮ったものが20種類を超えたあたりで天啓が。


 お散歩ビンゴを作ろう。


 以前どこかでお散歩で行き会うものを5×5に並べたお散歩ビンゴなるものを見たことがあります。それに倣って,本事業所限定お散歩ビンゴ早春編を作ろう。


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 で作ったのがこれ。横長写真を使ったら全然ビンゴカードっぽくならなかった。


 ところがこれが意外と受けました。植物分類はどシロウトの方ばかりですが,オトメツバキとヤブツバキサザンカの見分け方とかを教えたら皆さん喜々として飛び出していきます。構内を歩き回って,一列そろったといっては見せに来ます。列ごとにハンコ押してあげるとまた外へ。思わぬ春イベントを,みな十分に満喫してくれました。たぶんいいことしたのかな。ヒマな職場と思わないでね。


 で。


 これが陽射しの降り注ぐ昼休みのこと。私はいい気分で車寄せのロータリーで待っていたのですが,ハンコもらいに来る参加者の何人かがコレ拾いましたーと届けてくれたものがあります。

  
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 オトメツバキの落花。クロマツ松ぼっくりユズリハの葉に付いた昨年のアブラゼミの抜け殻。それぞれに柔らかな季節の香りが漂います。


 わーいわーい。


 下の方とはいえ取りあえず「長」のつく役職なのですが,浮世離れしたキャラクターとは知れてるようでみな良いものを持ってきてくれます。嬉しくてそのまま頂戴しました。なんか,しみじみと有難い。私は私で春を感じさせてもらいました。こんな日があって,人生は続いていきます。

 


 花模様の裳をまとった春の女神が,その裾を引きながら人界を渡っていきました。衣に触れてオトメツバキはぽとりと小径に落ち,松ぼっくりはコロコロ転げて人の前にまろび出ます。北風にも忘れられたセミの抜け殻は,春の重みにユズリハが頭を下げたことで人の目にあらわれました。人界のゴタゴタに関わらず,季節は着実に巡っていきます。そうこれは,自然という神のなせる業なのでありましょう。

 

 

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オーレリアンの庭

    f:id:xjino:20190321195903j:plain 紹介HPより

 

 写真家・今森光彦さんの最新写真集「オーレリアンの庭」。

                   
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                   同じく,紹介HPより

                  
 ページをめくるたびにタメイキ。ふう……。


 オーレリアンとは蝶を愛する人たちのこと。ラテン語です。蝶の蒐集は,遠くヨーロッパで自然を愛する知識人や少年の趣味として広く認知されていました。ヘッセの小説にもよく出てきますね。また日本でも今の60代くらいまでは蝶の愛好家がたくさんいたものです。 …って過去形だと滅んじゃったみたいだな。私は親しみを込めて蝶屋,と呼ばせていただいてます。山で遭遇することは少なくなりましたが。


 で,オーレリアンの庭とは,そんな蝶屋の夢を実現した庭。チョウをはじめとする様々な昆虫が生まれ,成長し,生を謳歌し,また子孫を残し,自然が循環する庭。朝起きればアゲハクサギの花を訪れ,ミンミンゼミが鳴き,エノキの梢をタマムシが飛び交う,そんな光景が目の前に展開する庭。今森さんは,生まれ故郷に近い琵琶湖のほとりの農村に広大な土地を求め,自ら重機を操縦(なんと大学は土木科!)して池をつくり,昆虫少年の理想空間を創造してしまったのでした。ああああうらやましいい。


 昆虫写真家の今森さんにしてみれば,居ながらにして被写体に囲まれているという趣味と実益です。でもそれだけではないと思う。今森さんの生涯かけたテーマは「里山」。ヒトが農業を営む上で維持・管理してきた,ヒトと自然が共存する空間。その日本の里山が人口減少,農業の衰退に伴う管理不足で滅びかけています。里山は生命多様性の依り代,しかしその維持には大変なヒトの営為が必要です。今森さんは,自らの懐をノアの箱舟として,多くの生きものを守り育てる決意をしているのです。


 ああ,でもやっぱりうらやましい。読者の皆さんには,私が庭のスイカズラ(植物)にアサマイチモンジ(蝶)が産卵に来たと喜んでいたのを覚えておられる方もいるでしょう。私のささやかな庭ではこれが限界。今森さんの庭とは次元が違いすぎる。私に限らず,多くの元昆虫少年では夢に終わることを実現しちゃったんだよなあ。自分の庭にオオムラサキナガサキアゲハが生を営むなんて,それは蝶屋にとって桃源郷そのものでありましょう。


 はあとため息をつきながら庭に出てみました。オーレリアンの写真を見たあとで私の庭。なんか劣等感というか気後れというか。いいや,私にとっては宝の庭です。


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 クサボケ。あと少しで開花です。


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 なんだこりゃ。調べてみたらジンガサゴケというものらしい。

 

 我が庭は,昆虫の活動にはまだ早いようです。


 昆虫少年であった人ほど自然を愛するものはありません。現に自然科学部門のノーベル賞を取った日本人の先生たちはみな,子どものころ昆虫採集が大好きだったと思い出を語ります。少年は昆虫と関わることで科学的探求心や自然への畏敬を身に着けるのです。都会の公園では捕虫網を持った人にヒステリックに反応するご婦人がいると聞きましたが,どうか未来のノーベル賞のためにも大目に見てあげてください。昆虫採集は,科学者を育てる最も重要なメソッドなのですから。

 

 

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御岩神社今日のオウレン 緑陰に綺羅星散る如く

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 今週,二度までもテレビで「オウレン」の名を聞きました。一度は山の中の一軒家を訪ねる番組で,行ってみたら老人がひとり森の中でオウレンを栽培していた話。もう一度はどこぞの山で,登ってきたひと先着百名にオウレンを配っているという話。いずれもオウレンが薬草であることがネタでした。


 キンポウゲ科の薬草「オウレン」。茨城県でも各所に産地がありますが,山地性でそこらにペンペン草みたいに生えている代物ではありません。テレビを見て思い起こしたのが,昨年このブログでご紹介した御岩神社のオウレン。むくむくと写欲が。よし次の土曜に撮りに行こうと思い立ったわけなのですが…… 少なくとも二日前の予報は「雨」。ポンと出たイメージが雨に濡れたオウレンの花。純白に雫を湛えて。なんかすごい画題を思いついたような気がして,かの神域まで写真を撮りに行こうと思い立ったのでした。ところが。


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        なぜ晴れる。


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 陽射しまで。どうしよう,晴れ男パワーを制御できない。とにかくここが御岩神社の「緑陰の小径」です。私の命名ですけど。


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 咲いていました。緑陰に綺羅星の散る如く。


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 純白の,小さな小さなオウレンの花です。


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 これは雄花かな。


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 たぶん雌花。まだ開いたばかり。


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 すぐに実のさやがにょきにょきと出てきます。


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 道端にしゃがみこんで撮っているので他の参詣の皆さんから怪しまれますけど,この花の説明をして納得してもらってます。可愛らしい花ですね,と。


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 こんなものへの感動を共有してもらえると,私もうれしい。

 

 

 このオウレン,図鑑的にはキクバオウレン,セリバオウレン,コセリバオウレンとあって茨城のはコセリバなのですが …… 実はすべて同じ種,学名 Coptis trifolia の中の変種で,人間でいうと白人黒人黄色人種みたいなもの。私は区別する要なしと考えます。茎の毛のあるなしとか葉の切れ込み具合とかで別の名をつけたがる植物屋さんと私の,どうしても相入れないところです。

 

 


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 今日の御岩神社の他の花々もご紹介します。ショウジョウバカマはあと10日ほど。


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 かびれ神宮のイワウチワもまだ固いつぼみです。


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 山頂のアセビは盛り。花期が長いのでまだまだ見られます。


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 神域全体に生えているアオキ。実が熟してきました。


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 鳥居下の植栽のザゼンソウ


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 靴洗い場。散った椿の傍らにショウジョウバカマカタクリ。開花が楽しみです。


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 フキも。ああ春だ。

 

 


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 帰り道,降雨。今日は私が外にいるときだけ晴れ,車中や屋内では雨が降ってました。休日はいつもこんな感じです。…… 何かに利用できない? この体質。

 

 

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夜梅祭 偕楽園ライトアップ

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 ああ,キツい一週間だった。ようやくひと段落ついて,夕刻,ふらーっと偕楽園に寄ってみました。梅の季節の偕楽園,何十年ぶりだろう。


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 ライトアップしてます。近年こういうことが始まってました。


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 偕楽園の観光案内なんかしませんよ。ただ撮るだけ。

 

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 キレイなものにシャッターを押し続ける。それだけで少し幸せになれます。特におカネ掛けずに安らげるのだから,我ながらリーズナブルに出来てるなあ。


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 徳川斉昭公が「みんな楽しく」と江戸時代に一般庶民にも開放した名園です。180年経ってもたくさんの人で賑わっています。一見の価値があるとは申しませんが,ぜひ。

 

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ケガするということ

【キズケガ流血,閲覧注意】苦手な方はご退出ください。

 

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 ケガしました。右手人差し指の第二関節外側を,エグりました。調子に乗って重いものを持って運んでいたら,書棚のカドが割れてギザギザになっているところに質量モーメントそのままに突っ込みました。表皮がべろん。大流血。わし死ぬのかな,良くても人差し指失くすのかなと医務室に行ったら,絆創膏を貼られておしまい。ええええっ 


 どうにも血に弱くていけません。


 そこで思い出したのが昔書いた文章。そういや前にもケガして出血して,文章を書いたなと。文体違いますが,晒させていただきます。

 

 

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 右手の親指の腹をすぱーっと切った。いや血が出たこと出たこと。久しぶりに血の味を味わった。


 ナイフやらナタやらたくさん使っていて,自分で研いでもいるので刃物の扱いには慣れているつもりだった。それが慢心。刃渡りたった1センチの,百円ショップに2個一組で売っているカッターナイフでやってしまった。メガドンキホーテで厳重に包装して売っていたカー用品のパッケージを開けようとして,ぴっと痛みが走った時にはもう手遅れ。石清水のように流れるおのが血液を見たときには,わし死ぬのかななんて大げさに思ってしまった。


 これが事故というものか。


 毎日のようにニュースに流れるさまざまな「事故」。当事者は,その瞬間まで自分の運命を知らない。一瞬ののちの,痛み,絶望,後悔,怒り,運が悪ければもう痛みも感じない。


 野生生物には事故というものはあるまい。ある程度の必然。捕食者に襲われるのも天象気象に命を奪われるのも,自然の中では日常的に起こりうる。覚悟と,そして遭遇したなら諦念をもって受け入れるべきものだろう。


 だがヒトの「事故」は違う。


 金属を磨いた鋭利な刃物。そんなもの,神様はヒトの体に与えていない。自然界にも存在しない。ガソリンを爆発させて時速60キロで疾走する鉄のヨロイも,人がさかしらな頭で作り上げたもの。そもそもヒトの皮膚はあきれるほどに柔らかで,ヒトの移動速度は時速4キロだ。文明によって力を付与された金属に抗うすべなど持っていない。そんな,生物としてのヒトが制御しきれない「力」を得た瞬間から,「事故」はヒトの天敵となった。


 ある統計で,人によって殺されるヒトの数は年間47万人を超えるという。その手段までは聞いていないが,素手によるものはそうあるまい。銃,爆弾,ナイフ,車。すべて自らが創造したものによって,ヒトは殺されている。これが文明というものか。


 先日,職場の窓ガラスに一羽の小鳥が激突して命を落とした。透明なガラスを認識できずに,飛びぬけようと。キクイタダキというその鳥は,つまりヒトの文明の所産に起因する事故で生を終えた。最後の瞬間に,ガラスに映る自分の姿を見ただろうか。

 

 

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 語ってるなあ,ちょっと切ったくらいで。

 

 ちなみに冒頭に書いた人差し指のケガですが,薬局に行ったら良いモノを紹介されました。カットバンと言って,傷全体をすぽっと覆って修復細胞や組織液を保ち,痛みを和らげ傷の治りを早めるそうです。

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 そういや手術の傷跡にもこんなフィルム貼られたっけなあ。半世紀生きて,傷が増えるばかりです。

 

 

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いつもの原野でタネツケバナとアオイスミレが春を告げる

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 何か月ぶりでしょうか,マクロレンズ付きカメラセット「ジェニファー」とともに「いつものフィールド」に行ってみました。生物の季節の到来です。


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 とはいえ木々はまだ冬景色。


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 トウキョウサンショウウオの卵のう。産卵直後で膨らみ切っていません。そばにこれを生んだ親もいました。今年も命は引き継がれて行きます。何万年も続く生命の営み,これをヒトの都合で絶やしてはいけません。


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 タネツケバナ。田んぼを一面に埋め尽くすいわば「雑草」ですが,私には春を真っ先に告げてくれる妖精みたいなものです。ヒトが田んぼを営む前は,こんな谷筋の湿地で細々と生きていたんでしょうね。


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 タネツケバナの名の由来は「いっぱいタネを付けるから」ではなく,「種もみを水に漬け」て苗代の準備をする頃に「花」が咲くからだって。ひとひねりある名前でした。


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 田んぼにびっしり咲くさまも悪くはありませんが,私にはこういう本来の環境で生きる様子が好ましい。


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 アオイスミレ! 待ち続けたスミレの季節の先陣を切って咲きます。3月中に盛りが過ぎてしまう早咲きのスミレ。


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 その変化の早さに毎年振り回されます。今年は何とか捕まえられた。

 

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 笑いさざめくような。


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 以前「気まぐれな少女のよう」と表現しましたが,その気まぐれに振り回されるのもまた楽し。太宰治も「十二,三歳の少女の話を,まじめに聞ける人,ひとりまえの男というべし」てなことを。こういう器って大切だと思います。


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 植栽のシナマンサク


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 同じくサンシュユ。さあここから週替わりで春の花が咲いていきます。どこまで追っかけられるかな。

 

 

 これが今日の水戸ですが,この国は土地ごとに気の巡り,水の流れが異なります。皆さんのご在所はいかがでしょう。きっと,それぞれの土地ごとの春があるんでしょうね。

 

 どうか良い春を。

 

 

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カメラを止めるな! ロケ地は水戸なんです【ネタバレなし】

 

 評判の映画「カメラを止めるな!」が金曜ロードSHOW!で放送されました。見たかったのでビデオが出るのを待っていたのですが,もうテレビとは気が利いてますねえ。本編の前に出てきた若い監督やキャストの誇らしげな顔が良かったです。これからが苦労なんだろうけど,まずは幸運な船出を祝福したいと思います。


 さて,見ていない人のためにネタバレは自粛しますが,ゾンビが出てくる映画です。そのロケに使われたのが水戸市内の浄水場なのだ。


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 それがここ,芦山あしやま浄水場


 通常,稼働中の浄水場は外部の人を入れません。ショッカーが毒物を混入させたりしたら大変ですからね。でもこの昭和7年生まれの施設はもう二十年以上使われてません。他の新しい浄水場水戸市民の飲み水を一手に引き受けています。そこで市ではフィルムコミッションを通して映画撮影などを誘致していて,この古風にして装飾的な造りが映画のスタッフの眼に留まったようです。

 

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 正門。奥のヒマラヤスギがラストで上から映されてました。


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 建設当時,水戸で唯一の浄水場。だから「芦山浄水場」ではなく「浄水場」。


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 はい,ごもっともです。警備会社が入ってますから忍び込んだら大ごとですよ。

 

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 この昭和のにおい漂う意匠。たまりませんね。あ,もちろんほめているんですよ。


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 二重の土塁に囲まれて,正門からうかがえるのはここまで。


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 裏の堤防から失礼。


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 沈殿槽には木まで生えてます。もっと動態保存されてるかと思ってたけど,まあ能力的にはもう使われることはないでしょう。


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 劇中でも印象的だった丸窓。昭和初期の流行りです。


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 四方にある出入口。劇中で効果的に使い分けられてました。


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 ヒロインがゾンビから逃げたところ。


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 こんな感じでしょうか。

 

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 あのシーンはここからじゃなかったような気がする。

 

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 この地下貯水槽にあんな通路があるとは知らなかった。


 これくらいにしましょうか。どなたかに迷惑がかかるといけないし。


 これだけのために土曜の朝にのこのことやってきましたけど,図らずも世は春。農村地帯にある芦山浄水場の周囲では野の花がもう咲き乱れてます。今日のパートナーはマクロ撮影が苦手な「奈保子ちゃん」なのですが,記録はちゃんとしていこう。


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 ツクシ。スギナの胞子茎。もう盛りです。


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 菜の花。厳密にはセイヨウアブラナ。この香りが大好きです。春だなあと。


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 ホトケノザ。たちの悪い「雑草」ですが花は美しい。


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 ナズナ。ちゃんとしたマクロレンズで撮りたい。ちなみに画面いっぱいにキラキラしているのはスギ花粉です。うわあ。チンダル現象恐るべし。


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 キノコだ。季節的にエノキタケかと思ったら違う。色的にコレラタケかもと思ったけど違う。ちゃんと調べねば。


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 浄水場の外壁にドロバチの巣。これ蜂の巣なんです。中で羽化の日を待っているのでしょうか。


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 田んぼには一面のタネツケバナ。ああこれもマクロレンズでちゃんと撮りたい。


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 水戸市でも茨城県でも,フィルムコミッション活動を盛んにやっています。映像関係の方,なんて私のブログなんか見てないだろうけど,面白い場所がたくさんありますよ。どうかご検討ください。魅力度47位だけど。あと,「カメラを止めるな!」を見ていない方。ゾンビが出てくるけど見終わった後とてもいい気持になれる映画です。これぞ映画!という感じ。ぜひとも。

 

↓ 芦山浄水場の紹介

みとフィルムコミッション : 芦山浄水場

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パートナーたち - ジノ。

 

 

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